ReTERAS-Plus Blog
2025-08-16
大阪市内都市型3階建て戸建て 西側窓の熱中症対策を断熱補助金で実現
はじめに
都市部の3階建て木造住宅で、特に道路に面した西側の窓は直射日光が夕方まで照りつけ、室内の暑さの主因となります。築25年ともなると、断熱性能が不足し、熱中症リスクも高まります。そこで今回は、大阪市の断熱リフォーム補助金を活用し、スタイルシェード設置・二重窓インプラス(Low-Eグリーン)内窓設置・天井へのアクアブロー吹き込み断熱という複合的な改修で、快適性と省エネ・補助活用を両立させた事例をご紹介します。
工事の背景と補助金の概要
最初に、補助金について簡単に触れておきます。大阪市では、住宅の省エネ・断熱化を促進するため、窓や天井などの改修に対して補助金を交付しています。制度の詳細は弊社担当窓口が得意としています。築年数や現場によって多少手続きが異なります。詳しく説明しますのでお気軽にお声掛けください。今回の住宅は、西側からの午前〜夕方の熱負荷が大きく、窓と天井からの熱侵入が主な課題でした。
実施した断熱対策
1.外部スタイルシェードの設置
まずはスタイルシェードを窓の外側に設置。これにより、日射を窓に届く前に遮断し、室内へ熱が入る量を大幅に低減。
2.内部インプラス(Low-Eグリーン)内窓の導入
さらに、二重窓には高性能ガラス遮熱高断熱Low‑Eグリーンタイプのインプラス(内窓)を設置。Low‑E(Low Emissivity)ガラスは赤外線を反射する特殊コーティングによって、熱の侵入を抑制します。この二重構造により、断熱とともに遮熱・省エネ効果が高まりました。サーモグラフィーで確認したところ、元の窓表面の温度は約55℃だったのが、スタイルシェード設置後には41℃まで低下しました。
3.天井断熱:アクアブロー吹き込み
近年の猛暑は西日対策だけではまだまだ足りなく、夜になると昼間蓄えた熱が天井から放出されます。その天井をがっつり断熱します。そこで選んだのは、アクアブロー(吹き込み硬質ウレタンフォーム)です。これは、発泡ウレタンの端材をリサイクルしてつくられた、環境配慮型の高性能断熱材です。通常のグラスウールブローイング材に比べて1.2倍〜1.5倍の断熱性能を持ち。また、吹き込み方式により隙間なく均一に施工でき、沈下しにくく長期安定性が高い素材です。
施工時にはまず気流止めを徹底し、断熱効果を最大限に発揮させました。気流止めは、壁や天井のすき間から空気が流れるのを防ぎ、断熱材の静止空気による効果を保持するために不可欠です。
効果の確認:サーモグラフィーでの温度変化
施工後の効果を確認するため再びサーモグラフィーで測定した結果、先ほどの窓温度41℃に加えて、天井表面の温度も36℃まで下がったことがわかりました。これにより、窓・天井の両面からの熱侵入が大幅に抑制され、室内温度の上昇が緩和されました。
副次効果・補助金活用メリット
熱中症リスクの低減:室内の高温環境緩和により、特に夕方以降の暑さが改善され安心感が増します。
今年は全国で猛暑に見舞われています。6月から毎週1万人の方が熱中症で搬送されているようです。注意したいのは大人は体温コントロールができるので熱中症になってもすぐに回復するのですが、体温コントロールが苦手なお子様やお年寄りは熱中症にかかると、最初は立ち眩み、めまい、足がつるなど軽い症状ですが、それに伴う食欲不振、体力回復できず、嘔吐、倦怠感へつながり、ひどくなると意識障害といった深刻な状態になるそうです。その前に対処が必要です。
省エネにも直結:断熱性能向上により、冷房負荷が減り、家計にも優しい。
補助金でコスト軽減:窓・天井両方を対象とした補助金を活用することで、自己負担を軽減しつつ効果的な改修を実現できました。
まとめ:省エネ × 快適 × 補助金活用のベストプラクティス
今回のリフォームは、以下の3ステップで構成されています。
1.外部スタイルシェードで日射をさえぎる
2.遮熱高断熱Low-Eグリーン二重窓(インプラス)**設置で、断熱・遮熱・省エネ効果を向上
3.アクアブロー断熱+気流止めで天井断熱、天井温度36℃へ低減、快適性と省エネを両立
このように、都市型3階建て住宅でも、階・立地・築年に応じた多面的な断熱改修を行えば、熱中症対策・快適性向上・省エネ・補助金活用のすべてを実現できます。
末尾に一言
「夏の暑さが厳しい」と感じる戸建て住宅をお持ちの方は、まずは窓と天井の断熱性能を見直すことから始めてみてください。補助金を活用しながら、快適で健康的な住まいづくりを目指しましょう。