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2025-09-11

断熱リフォームの現地調査とは何か ~成功の鍵を握る初めのステップ~

リフォームの計画を始める前に欠かせないのが、「現地調査」です。特に断熱性能を改善するためには、家の構造や既存断熱材の状態、気密性、温熱環境など、目に見えない部分も含めた建物の実態をきちんと把握する必要があります。この調査が不十分だと、せっかく断熱材を入れても期待した効果が出なかったり、余計なコストがかかったりすることにもなりかねません。以下では、断熱リフォームの現地調査で一般的に行われるステップと、その際注意すべきポイントを、わかりやすくまとめていきます。

現地調査の大まかな流れ(段階別)

以下は、断熱専門の会社で採用されている現地調査の典型的な流れです。会社ごとに変わる部分もありますが、おおよそこのような順序で進められます。

ステップ内容
1. お問い合わせ・申し込みウェブフォームや電話から、まず調査の申し込みをしていただきます。希望日時や場所、断熱に関するお困りごとを簡単にお伺いします。
2. 調査日の調整・事前準備日程を決め、お客様には図面の有無の確認や、床下点検口・天井点検口周辺の片付けなどをお願いすることがあります。これでスムーズな調査が可能になります。
3. ヒアリング(聞き取り)調査当日、どこが寒い・暑いかなど、お客様の悩みや暮らし方、これからの希望をじっくりお聞きします。断熱改善の目的を明確にするためです。
4. 現況チェック・調査実際に床下、小屋裏(屋根裏)、外壁、窓・開口部など、断熱性能に関係する箇所をプロが調べます。断熱材の有無、素材、厚さ、劣化状態、施工不良・隙間・気密状態などを見ます。
5. 温熱性能の測定・可視化必要に応じてサーモカメラで温度ムラを可視化したり、外皮性能(UA値など)の計算を行ったりします。壁を壊さずに診断できる場合もあります。
6. 写真撮影・採寸・寸法測定調査対象部分の寸法を測り写真を撮影。図面と現状の整合性を確認します。家具や設備の位置など、今後の施工に影響するものも把握します。
7. 結果整理・提案プラン作成調査データをもとに「どこが断熱不足か」「どの断熱材が適しているか」「費用・工期はどの程度か」などを整理し、お客様に最適な断熱改善プランを作成します。見積もりも合わせて提出されます。
8. 説明・見積もりのご提示プラン内容、改善後の見込み、コスト・メリット(冷暖房費の削減など)などをお客様にわかりやすく説明します。疑問や不安があれば丁寧に回答します。
9. 契約・施工準備提案内容にご納得いただけたら契約となり、施工日程・資材手配・補助金等の手続きがあれば準備を進めます。

詳細ポイントと“お客様が気づきにくいこと”

  1. 気密性のチェック
     隙間や施工不良があると、断熱材だけではなく気密性が性能を左右します。壁や窓、床下の隙間を視覚的・触覚的に確認します。可視化ツールや煙(簡易的に)はかなり有効です。
  2. 結露・湿気・カビの履歴
     壁や窓まわり、屋根裏に結露跡や湿気による変色・カビの発生がないかを確認します。断熱や気密施工によっては壁体内結露といったリスクもあるため、施工前の状態を把握することは安全性に直結します。
  3. 断熱材素材の違いと特性
     グラスウール、セルローズファイバー、発泡系断熱材など、物性、耐久性、防火性、コストの性格が異なります。どれがどこに向いているか、地域の気候・住宅構造によっても違います。
  4. 外部要因・周囲環境
     隣接する建物の日射遮蔽、風通し、屋根の形状・向き、軒の出の長さなども影響します。これらは断熱性能・日射遮蔽/日射取得にかかわるため、プラン設計に重要です。
  5. 補助金・制度利用の可能性
     自治体・国の省エネ改修補助金・税制優遇制度が利用できることがあります。現地調査でどの制度が該当するかを確認し、それを提案に入れておくとお客様のコスト負担が減ります。

現地調査でのお客様の“準備”と“参加”のポイント

  • 図面や仕様書があれば用意 → 測定や現況把握が早くなります。
  • 寒さ・暑さを感じる時期の情報 → 季節や時間帯によって温熱環境が大きく異なるため、どの部屋・どの時間がつらいかを具体的に伝えるとよいです。
  • 点検口や屋根裏へのアクセス確保 → 点検口の蓋・床下換気口・屋根の窓の開閉可否などをチェックしておくと、作業がスムーズです。
  • 家具の移動や片付け → 調査箇所のまわりに余裕を持たせておくと採寸・撮影がしやすくなります。

Q&A:現地調査についてよくある疑問

疑問回答案
調査だけでお金はかかるの?多くの専門店では「無料診断・調査」を行っています。ただし高度な温熱診断やサーモグラフィー測定を含むケースでは有償になることもあります。
調査時間はどのくらいかかるの?対象範囲(床下・小屋裏・窓など)や住宅の規模・構造によって変動しますが、1時間~3時間程度が一般的です。
図面がないけれど大丈夫?図面があればスムーズですが、現地で寸法を取れば十分プラン設計は可能です。図面との整合性の確認も重要です。
気密化や結露対策も診てくれる?はい。断熱だけでなく気密性、結露・湿気・カビなど、建物の温熱環境全体を改善する提案をするために重要です。
断熱リフォーム専門店
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